合掌・礼拝の作法
お参りで最も基本となるのが合掌・礼拝です。浄土真宗本願寺派では、阿弥陀様を敬い、信じ順う心を表すために行います。自分の願いを叶えてもらうために行うのでは、決してありません。
合掌の時に額の前で手を合わせたり、礼拝の時にうなずくように頭だけ下げている人がいますが、格好のいい姿ではありませんね。自信を持って合掌・礼拝できるように、本願寺派の作法を覚えましょう。
背筋を伸ばし、肩・ひじを張らずに両手を胸の前で合わせます。お念珠を両手に通して、親指で軽くおさえます。念珠の房は下に垂らし、指の間は開けません。指先と上体との角度は約45度です。
合掌したら、「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…」とお念仏を称えましょう。
お念仏を称え終わったら、合掌をしたままゆっくりと腰から上を前に傾け、ひと呼吸おいてから静かに元に戻ります。頭だけ下げるのではなく、腰から上を約45度傾けるのが基本です。
元に戻ったら、静かに合掌を解きます。
なお、お念珠の房は、男性が“ひも房”、女性が“きり房”を用います。
また、お念珠は大切な法具ですから、お経の本(聖典)と同様、畳や床に直接置いたり、投げたりしないよう丁寧に取り扱ってください。
焼香の作法
テレビドラマのシーンで、お香を何回も入れたり、押しいただいてから焼香をする姿が見られますが、これは本願寺派の作法とは違います。また、マナー本などでも、本願寺派の作法とは異なるものが少なくありません。
本願寺派の焼香は、法要や儀式、勤行の時にお香をお供えして、阿弥陀様を敬い、み教えを信じ順う気持ちを表すために行います。ぜひ正しい作法を身につけてください。
香炉の置いてある机の1、2歩手前で一揖(起立の姿勢で合掌せずに上体を約15度傾けて元の姿勢に戻す)します。
香炉の直前まで進み、座って、お香を1回だけつまみ、そのまま香炉に入れます(※お香は押しいただかない)。
合掌して「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…」とお念仏を称え、称え終わったら礼拝します。
立ち上がって、香炉の置かれた机から1、2歩下がって一揖します。
※立ったまま焼香する場合は、「座る」「立ち上がる」動作を除けば、同様の流れになります。